設立の経緯
本委員会は、昭和61年に創設され35年間活動を続けてきた第151委員会の活動をさらに発展させる目的で、令和3年4月に発足しました。「極限構造電子物性」第151委員会が設立された昭和61年当時は、半導体の微細化が進展し、半導体超薄膜ヘテロ構造の物理や応用の研究が大変盛んでした。さらに電子ビーム露光法などの超微細加工技術が普及するに至り、高次の電子閉じ込めがもたらす効果も研究され始め、メゾスコピック物理という新しい分野の幕開けとなりました。現在では、さらに固体中の電子波の位相やスピンを人為的に制御し、高度な演算や超高感度の検出技術が手に入るところまで近づいています。
また、本委員会のメンバー約10名が参加して、平成27年度から令和元年度にかけて実施した科研費新学術領域研究「ハイブリッド量子科学」では、ナノ電子材料から量子コヒーレント系に至る様々なレベルでのハイブリッド量子ナノ技術を開拓することができました。
本委員会では、上記のような助走を経て、ハイブリッド量子ナノ技術の基礎から応用までを、産官学で議論し、さらに応用展開して参ります。